ブラック王子に狙われて①
「やっぱ、顔?」
「えっ?」
「アイツ、カッコいいからねぇ」
「い、いえ。慧くんカッコイイですけど、私は顔で選んだりしません」
「へぇ~~」
信号待ちで……
ハンドルに両手をついて、小首を傾げた。
なんだろう……。
嫌な感じがする……。
「絢ちゃんってさぁ、今まで彼氏とかいたの?」
「はっ?い、いえ…」
「じゃあ、慧が初カレ?」
「…………そう…なるのかな…」
「ふぅ~~~ん」
???
やっぱり、少し嫌な感じ。
眼つき?
物腰?
なんだろう……。
慧くんの威圧する怖さとはまた違う。
何だか…あの含み笑いが気になる。