ブラック王子に狙われて①
「あのっ……えっと…」
あ――――緊張する!!
深呼吸して、話し始めようとした…その瞬間!!
「絢、兄貴に惚れたか?」
「へ?」
「絢が俺より兄貴がいいって言うなら、俺は別に……引き止めたりしない」
「………は?」
な、何を……急に言い出すの?
「兄貴は俺と違って優しいし、女の扱いも慣れてる…」
「え?……ちょっ…」
「お前が……絢が決めたんなら、俺は何も言わない」
「…………???」
なんで急にそんな話になるの?
昨夜、何かあったのか?
何があったんだ?って、普通は聞くよね?
……アレ?
………何かがおかしくない?
「絢。お前の…ホントの気持ちを…」
肩に掛けた手が急に止まった。
ん? ん?? 何???