ブラック王子に狙われて①
届かない想い
突然の下僕解放宣言。
あまりにも突然すぎて……
彼が去った後も公園のベンチに座り込んだまま。
膝の上で握りしめた手に…
温かい雫がポタリと落ちる。
私………ホントのバカだ。
彼が目の前から去って、初めて気づく。
彼の存在の大きさを……。
今頃気付くなんて……遅いよ。
ポタポタと止めどなく零れ落ちる涙。
バカじゃないの………私。
泣いたって、どうにもならないのに。
溢れる涙で視界が曇る。
さっきまで彼が座っていた場所に手をかざして…。
私…………何やってるんだろう。