ブラック王子に狙われて①



「ただいま」

「随分早かったのねっ…って、どうしたの?彼とケンカ?」

「…………別れた」

「えっ!?」

「部屋に……こもっ…るから…はいっ……て、…こなっ…いでっ」





私は心配そうに覗き込む母親を余所に、部屋へと駆け上がった。





っうッ……っく……っん…グッ…



ホントにバカでバカで……どうしようもない。




ベッドにダイブして枕に顔を埋める。

次から次へと涙が溢れ、呼吸するのも難しい。




慧くん………ごめんね。














ん?……私、泣き疲れて寝ちゃったんだ。


窓の外が真っ暗になっていた。


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