さくらいろ


「べっ…弁当!? おかずにチョコが入ってるの!?」

思わず突っ込んでしまった。


「は? んなわけねーだろ」

神木くんが、ははって、声出して笑った。


笑った。



とくとく。

心臓がまた速くなる。


「今日、兄貴が弁当作ったから」


すかさず美夏が突っ込む。

「神木んち、チョコおかずにご飯食べてんの!? まじウケるんですけど」

笑った振動でゆれる、ショートボブの髪。


「だから違うって! どーせデザートのつもりで入れたんだろ」


あ、

神木くん、なんか楽しそうだな。

目が半分だ。


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