さくらいろ


机の上には英語の課題が広げられている。


「手伝え、杏里」

「え、命令?」


英語は苦手なので手伝ったらかえって迷惑がかかると思い、となりでただ眺めていた。


「あーそいえばさ、今日男と学校来たでしょ!」

彼氏か!って、美夏に言われて目を丸くした。


「え…え!?見てたの?」

「まあね~たまたま見ちゃった」


得意気に言う美夏。


「で、彼氏なの?」


「ちっ…違う!! ただの幼なじみの先輩だよ」

全力で否定。



「なんだぁ、つまんないの」

「あはは、何でよ」


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