さくらいろ
「…あ」
「今日部活ないんだよねっ? 一緒に帰ろー!」
現在、最も会いたくなかった人。
目の前で今日も、いつもと変わらずにこにこ笑って、ぴょんぴょん飛び跳ねていた。
「……胡桃」
「杏里、なんか久しぶり!あはっ」
なんか、すごく申し訳なくなる。
罪悪感というロープに首を絞められるような。
そんな気持ち。
ぎゅっ。
ケータイが入ったカバンを、強く自分に引きつける。
「帰ろ?」
「…うん!」
あれ。
今、うちちゃんと笑えた?