さくらいろ


ベッドの横に置いてあるミネラルウォーターのペットボトルをとる。

飲みかけのそれを一気に喉に流し込んだ。


冷たい水がすーっと体へ入っていく。

何だか、冷静さを失った心を静めてくれているみたいで。

心地良かった。



「あ」


今何時だろ。

水を飲んで、自分がおなかがすいていたことに気づいた。
  

スカートのポケットに入っていたケータイを見る。


20:46



「げ」

8時過ぎてる。

夕方に帰ってきて今の今までずっと寝てたのか。

しかも今日親二人ともいないんだった。

夕飯は用意されていない。

自分でどうにかするしかない。


「なんかないかなー…」

部屋を出て1階にいこうとした。



そのとき。
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