さくらいろ


「あーさーだーよーーーっ」


「……んー…っ」


今日もお姉ちゃんという不快な目覚まし。

朝が来た。


どんなに悩んでも、辛くても、
逆にどんなに楽しくて幸せでも、

朝は平等にやってくる。

だから

いきなり幸せになれるわけないし。

自分で今日という日をどうするかにかかってるわけで。



窓を開けてすうっと息を吸い込んだ。


初夏の空気。

まだひんやり冷たい五月の朝の空気。




「…よし!」


胡桃。

今日胡桃と話をする。


もう嘘つかない。



勢いよくふとんからとび出した。


< 150 / 185 >

この作品をシェア

pagetop