さくらいろ
「あーさーだーよーーーっ」
「……んー…っ」
今日もお姉ちゃんという不快な目覚まし。
朝が来た。
どんなに悩んでも、辛くても、
逆にどんなに楽しくて幸せでも、
朝は平等にやってくる。
だから
いきなり幸せになれるわけないし。
自分で今日という日をどうするかにかかってるわけで。
窓を開けてすうっと息を吸い込んだ。
初夏の空気。
まだひんやり冷たい五月の朝の空気。
「…よし!」
胡桃。
今日胡桃と話をする。
もう嘘つかない。
勢いよくふとんからとび出した。