さくらいろ
「あんりーかみきーおはよーっ!」
「あ美夏、おはよ!」
登校してきた美夏がうちらの机のところにやって来た。
「はよ、朝からうるせえな」
「え?うるさい?え?きこえなーい」
「聞こえてんじゃん」
神木くんは美夏にもこんなことを言う。
…仲良くなれたって事だよね。
なんだかほんとに、嬉しい。
「杏里、勉強教えて、やばいテスト」
「んー…分かるところなら」
テストまでもう1週間を切っている。
だからほとんどの部活は今週休みになっている。
「神木も教えてよ」
美夏が神木くんの短髪頭をさわる。
「無理、できない」
「うそだ! 野球バカでも勉強はできるって知ってるんだからね!」
「バカって言ったから教えてやんねー」
「なっ!ごめんね!ごめんね神様神木様、勉強おしえてください。」
二人のやりとりがおかしくっ手思わず声を出して笑ってしまう。