さくらいろ
「あっ」
いきなり後ろから誰かに隠してる腕をつかまれた。
「血でてまーーす、犯人は神木でーーす」
…美夏だった。
美夏はわざとらしく神木くんを睨んでいる。
「吹部にとって大事な手を…お主!」
針ぐらいで大げさな。
思わず笑ってしまう。
「なに?どうしたの?」
うわ…
騒いでたから先生がこっちに来てしまった。
50代後半であろう家庭科の先生の眼鏡がやけに光って見える。
ちかづいてきた先生は神木くんと並ぶとすごく小さくみえた。