さくらいろ


「あっ」


いきなり後ろから誰かに隠してる腕をつかまれた。


「血でてまーーす、犯人は神木でーーす」


…美夏だった。

美夏はわざとらしく神木くんを睨んでいる。


「吹部にとって大事な手を…お主!」

針ぐらいで大げさな。

思わず笑ってしまう。


「なに?どうしたの?」
 
うわ…

騒いでたから先生がこっちに来てしまった。

50代後半であろう家庭科の先生の眼鏡がやけに光って見える。


ちかづいてきた先生は神木くんと並ぶとすごく小さくみえた。



< 172 / 185 >

この作品をシェア

pagetop