さくらいろ
「あ、」
美夏が言った。
見ると、膨れ上がった血だまりがついに指からこぼれおちるところだった。
「うわっ」
血がぽたり。
その血が…うわばきに落ちてしまった。
「…あー…」
おちるかな、これ。
まあいいや…とりあえず絆創膏かなにか貼ったほうがいいかも。
「せんせー…絆創膏を…」
「あ」
神木くんの視線がうちの指をとらえた。
「ごめん先生もってないんだよー保健室行ってもらえるー?」
持ってないんかいっ!
家庭科の先生なのに…裁縫の授業なのに…。
そんなことを心の中でつっこむ。