さくらいろ
「いるって顔に書いてある」
「……なっ!?」
ばっと顔を両手で覆った。
熱い。
きっと今、ゆでだこみたいになってる。
「か…みきくん」
これ…きいちゃっていいのかな。
神木くんに好きな子がいたらどうする?
そもそも彼女とかいたらどうする?
うち…どうする?
胡桃と正々堂々と勝負するとか、それ以前に負けって分かっちゃうじゃん。
この先どう、あの席で生きていく?
「…や、なんでもないっ」
「なんだよ」
聞かない方がいい。
まだ、いい。
神木くんの心に踏み込むのは…
ちゃんと胡桃と話してから。