さくらいろ
この人といると、わけもなく泣きたくなるときがある。
シトラスと…少し汗のまざった、野球部のにおい。
これが少し鼻をかすめるだけで、どうしようもなく切なくなる。
この人に、言いたい。
好きって言いたい。
手をにぎって、その自分のよりずっと高い位置にある肩によりかかってみたいと思ってしまった。
本当に…抑えられないところまできている。
ごめん…胡桃。
やっぱり無理だった。
好きをやめることができない。
やめたくない。
裏切ってごめん。
ごめん。