さくらいろ
「胡桃」
放課後の夕焼けに染まるグラウンドを見ながらうちは胡桃の名前を呼んだ。
「なーに杏里」
「なんか、ありがとね」
「あはっ何いきなり」
ちがうよ。
中学の時からずっとうちが思っていたこと。
胡桃に対する感謝。
今は胡桃とクラスが離れても、がんばれるようになった。
美夏もいるし。
でも1人でも美夏と仲良くなれるほど、過去を克服できた。
胡桃、ありがと。
だからうちは胡桃の恋を応援したいの。