さくらいろ



海斗くんは一瞬黙った。

そしてじっとうちを見た。


「え…なに…」


「…んな心配そうな顔しなくても平気だから。ほら、早く寝ろ寝ろ!」


そう明るく言って海斗くんはうちの背中を押して、家に入るように促した。


…気づかれたかと思った。

うちが学校を休む本当の理由を。


笑うだろうか。

海斗くんは笑うだろうか。






心友と同じ人を好きになったと言ったら。


< 42 / 185 >

この作品をシェア

pagetop