さくらいろ


どーせ、こぼし方なんて分かんないくせに。


…バカみたいだね。


「………やだ…ぁっ!!」


知ってるよ。

見えないものとか、見えるものとか、そんなの関係ないことなんて。


どっちかを消さなきゃいけなくて。

でもどっちを消しても傷ついて、誰かが苦しむことになって。


選べない。


選べないほどに、好きだった。


いつこんなに大きくなったの?




…ああ、そうか。


もう最初から芽生えていたのかもしれないね。


気づいたときには、もう大きかったんかな。

気づいてから大きくなったんじゃなくてさ。
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