さくらいろ
「ほんとにありがと…海斗くん」
ドアノブに手をかけた海斗くんに声をかけた。
海斗くんは振り向いて、にこりと笑った。
「いいって。そんじゃ俺学校行くから、何かあったらケータイに連絡入れて?」
「…わかった」
笑ってみせると、海斗くんは安心したように笑って、ドアの向こう側に消えた。
…ぱたん。
ドアが閉まる。
……と、同時に。
ブーッ、ブーッ。
「うわっ…びっくりした」
…ケータイが鳴った。