さくらいろ


そう、人見知り。





…中学に入学したときもそうだった。



「ねぇねぇどこ小から来たのー??」

「あ……えと、あの…ト、トイレ行ってくる!」

「えっ、ちょっと待っ…」


こんなことが続いた。

誰かが話しかけてくれても答えられない。

いつのまにか一人。

グループは出来始めていく。

とりのこされた杏里。


自分から話しかけられない。

話しかけられてもまともに返事できない。


学校なんてなければいいのに。
 

…そのときだった。


「あーその卵焼き美味しそう!ちょーだいっ♪」


…世界が変わったのは。
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