さくらいろ


神木くんは何かを言いかけた口を閉じて、席に着いた。

うちも席に着く。

神木くんの、となりの席に。


今…なんて言おうとしてたんだろ。

でもいいや。

聞きなくていいよ。


たくさん話したら、それだけ好きになっちゃうから。

…でも。


やっぱり何を言おうとしたのか気になるな。

聞きたいな。

 
もう…引き返せないところまで、来てしまった。    


このとき改めて実感する。


ぐるぐる。

いろんな考えがぐるぐるする。


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