さくらいろ

そんなふうに考えながら神木くんのほうを目線だけで見ていた。


神木君がこっちを向いた。

目があった。

とっさに俯いた。

中途半端に長い髪で、自分の横顔が隠れた。


「…何?」

小声で神木くんが言った。


「………べつに」


小さく小さく呟いた。








1限目が始まるまでの短い休み時間。

休み時間はいつも、美夏がうちの机まで遊びに来てくれる。


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