さくらいろ


……近い。

思わず目を見開いた。

そして、神木くんがどんな表情をしてるかも見られないうちに、ぱっと下を向いてしまった。


また横髪で顔が隠れた。


顔が…熱いな。


それから、耳が遠くなったように、先生の声はとても小さく聞こえて。

教室のいちばん後ろにいるみたいに、黒板の文字も見えづらくて。


それくらい、どうかしていた。


…ほんと、どうかしてるよ。

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