さくらいろ
「あーんりーちょっと来て」
「あ、うん」
美夏がうちのことを呼んだ。
神木くんの方をちらっと見たら、もう別の男子と話していた。
だからかまわず美夏の方に行った。
「あれ?何か顔色よくなったね」
「そう?」
美夏にそんなことを言われて、びっくりした。
「うん。ってか珍しくニコニコしてる。何かあったの?」
「…えっ!?」
な、何それ。
いつの間にか頬が緩んでいた。
さっき…神木くんと話せたからに決まってる。
―――あれ?