さくらいろ
そのまま、気分は高揚したまま1日は過ぎて行った。
この日は他の時間にも、神木くんと少し話ができた。
たぶん3回ぐらい話ができた。
授業の内容なんて覚えてないくせに、こんなことは全部頭に残っている。
ほんと、馬鹿みたいだ。
胡桃への罪悪感よりも、神木くんと話ができた嬉しさの方が勝っていた。
…このときは。
ただただ、ほかほかしていた。
何もかもが新鮮に見えた1日だった。
「あんりー部活いくよー」
「はーい」
美夏の声がして、いそいで帰り支度をする。