さくらいろ


「ほら、急いで急いで!早く部活行きたいっ!」

「いーまーいーくー!」


美夏がせかすので、逆にあせってスクールバッグに教科書を詰めづらい。

やっとの思いで支度をし、美夏の元へ走ろうとした。


そのとき。


…ガッ。


「……わっ…!」


やばい。

何かにつまづいた。


「ちょっ、杏里!?」


そのまま視界がグラリと揺れる。


………コケる。

100%派手にコケる。


そう思った。


思わずぎゅっと目をつぶった…次の瞬間。


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