さくらいろ
「しっかし驚いたわ…。まさか神木があんな笑い方するなんて」
あれから少したって、部活にいく途中。
美夏がそんなことを言った。
「ほんとだよね…」
うちもそう思う。
神木くんって、ちゃんと笑えるんだ。とか思ってしまった。
「神木もふつうの人間だったんだな…」
「えっ、当たり前でしょ!あはははっ」
美夏が変なことを言うので、おさまったはずの笑いがまたお腹の底からこみあげてきた。
ああ、楽しいな。
楽しくて仕方がない。
このままこんなに楽しい日々が続けばいいのに。
胡桃。
あのさ。
どっちも失いたくないや。
うち、神木くんのこと、本気で好きだ。
もう後戻りできなくなっちゃった。
好きをやめられなくなった。
…やめるつもりなんてない。
ごめん。