さくらいろ




「…え、何あれ」


見てしまった。

杏里が神木くんの腕の中にいる。

っていうか、突っ込んだ。


一緒に帰ろうと思っていつもどおり杏里の教室まで来てみたら。

杏里の大きな悲鳴のような声がして。

何事かと思ったら、この光景だ。



ねぇ何してるの?

何があったの?


…放心状態の胡桃。


そのあと、起きあがって、ひたすらペコペコ頭を下げ始めた杏里。

謝っているのだろうか。


…どくん…どくん。

焦る気持ち。


何これ…嫉妬?







< 93 / 185 >

この作品をシェア

pagetop