さくらいろ
……あ…。
『胡桃に協力するって言ったのに。』
最悪だ、
こんなこと思ってしまうなんて。
最悪だ。
まだ誰も杏里が神木くんのこと好きだなんて言ってないし、神木くんが杏里を好きだとも言ってない。
杏里から何も聞いてない。
本当のこと何も知らないのに…こんな、心友のこと悪く思ってしまうなんて。
それに…。
仮に、この嫌な想像が現実になったとしても。
真っ向勝負するべきだ。
胡桃は、杏里と友達じゃなくなるなんて絶対にいやだ。
杏里だけは…失いたくない。
だったら、恨みっこ無しで正々堂々と戦うしかないじゃん。
…自分が惨めで情けなくなった。