ラビリンス
始まりは…
「私あてではないわよ。アリス宛てにはなってるけど
内容はお姫様各位と書いてあるわよ。
誰かが間違えたのね私はお姫様ではなく不思議の国のアリスよ。」
確かに私と同じリボンして、遠目面立ちが私と似てるアリスと言う人が言った。
「ええ。けどアリスさんへの宛先だから。
僕は宛先に渡すのが仕事で。アリスさんにお渡しします。
では、他に配達ありますから。」

「いらない。」

と言うアリスを尻目に白い鳥は、アリスにムリヤリ手紙を渡すと飛び立った。
「困るチシャあげる。」
アリスがつぶやきながら、手紙をチシャ猫に渡した。
「お役人仕事やから仕方ないでうちもいらん。」
アリスに渡された手紙をチシャ猫がアリスにつき返す。
お役人…
あの鳥が…
そして不思議の国
大丈夫だろうか
この国
記憶のない私が、この未知以上の不安材料が揃った世界に落とされ、何だか判らない状況
私は一気に不安におそわれた。
不安感でいっぱいの
私の手に、何かが手渡された。
それは手紙だった。
先程からたらい回しにされている手紙だ。
「アナタにあげる。
これを魔導師にわたしてよ。魔導師なら魔法で、手紙の宛名に一瞬で送るから
魔導師に渡すだけだし簡単よ。
あっウサギ…」
そう言い残すとアリスはウサギを追い掛けて行った。
いつの間にか、チシャ猫も居なくなっていた。
残ったのは私と
手に握らせられた手紙だけだった。
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