ラビリンス
童話?
マダムの話では、お姫様が集まる場所があるらしい。
私は言われた通り、
道なりに歩いた、よくよく考えたら、先程からこの国は一本道だ。
別段、取引に応じなくても、ここにたどり着いたのではないのだろうか
騙された気がする。
ライアーゲーム…
またこの言葉だ
なんなんだろう
「あら、ガラス靴じゃない」
「あら、本当」
突然、横からガラスの靴がむしり取られた。
「デカいわね」
「大きすぎよ」
私から奪ったガラスの靴を眺めながら
二人の女が言った。
「こんなもんよ、下々が履くんだから」
「まあね、私達みたいな生粋の姫君が履く靴ではないわね。」
姫君
確かに、言われてみたら煌びやかな服。

見つけた
「あなた方ですね、この手紙の宛名
そしてガラスの靴の持ち主の王子様をご存知ですか」
まくし立てる私に、二人の姫君は顔をしかめた。
「アナタ私達の話を聞いてたの
私達は、生粋の姫君
この子は寝てないけど、眠り姫。
私は、陸に上がってカナヅチになった
人魚姫よ。
その招待状は、シンデレラ宛じゃない。ちなみにガラスの靴の持ち主も、厳密に言うとシンデレラの物よ。
一目惚れした王子がシンデレラが落とした靴を持って、探し歩いてるのよ。」
「王子はなんで靴を持って歩いてるんですか一目惚れなら顔を見れば判るのでは」
私の言葉に姫君二人が鈴を転がすように笑った。
「あら、王子は目が悪いのよ
目が悪いのに絶世の美女を見つけたって、チャンチャラ可笑しいわね。」
「ええ、私達のが美しいわよ。
ちなみに王子は、隣の国に行ったから。明日まで会えないじゃない。シンデレラだって誰か判らないわよ。」
二人の姫は意地悪く笑った。
そう言えばお姫様ってワガママだったんだ
また私の記憶の扉が一つ開いた。
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