はらり一枚、一滴
「あ…う…」


必死で首に押し当てられているものを振りほどこうとした。


僕の首を絞めている何か…それは明らかに手の感触で…腕で…でも見えなくて…。


僕は今、透明人間に首を絞められている…?


「うぐっ…」


薄れてきた視界…、僕はこのまま透明人間に殺されてしまうのか…?



その時、だった。





はらり。



一枚


銀杏の葉が


透明人間の上に落ちた。


それは宙に浮いて、時が止まっているかの様に見えた。


苦しいのに


口の端で笑った、僕…


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