はらり一枚、一滴
それを見た所為か、一瞬、手の力が緩んだ気がした…。


まるでそれが合図でもあったかの様に



ザワッ



風が吹いた



銀杏の木々が一斉に揺れ、葉と葉を揺らし合いながら、そのざわめきを一斉に宙へと放った。


はらり…はらり…

無数の銀杏の葉



眼下に広がる


黄金の


紙吹雪…






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