【BL】IMBALANCE
「バカなのは……遥の方じゃないか……。」
涙の後が残る顔は、確かに笑っている。
「愛し方も知らないで……」
“愛”と呼ぶには、アンバランスなこの感情。
親友だった翔(カケル)に抱いてしまった、この感情を止めたかった。
止めたくて、止めたくて。
なのに俺は………。
「翔、君は男で俺も男だ。愛なんてあるわけ…………」
「うん…。俺は、遥を愛してるから」
「どうして…」
――君は逃げてくれない?
「あんなに酷く…抱いたのに――!どうして嫌いになってくれないんだ…」
「仕方ないよ。それが…愛ってもんだもん。」