キミへの気持ちの伝え方

「ん、降りれる?」
「うん、ありがとー!!英兄!」
「じゃ、また入学式でな?」
「うん!」
ギュッ
ひらひらと手を振って走り出そうとする私の手を英兄の手が捕まえる。
あ、英兄の手おっきい…。
驚いているのとは裏腹にそんな事を考えてしまう。
「…制服」
「?」
制服?
もしかして着方間違ってる?
「似合ってるよ」
「!!//」
う、 うわわ…!
いきなり笑顔でそんな事言われるとは思ってなかった…。
あまりにいきなりで思わず顔が火照ってしまう。
相手は英兄なのに。
「ん…?」
そして何かに気付いた様子で掴んだ私の手を自分の方に引き寄せて空いている手で私の首筋に触れる。
「っ////」
なっ、ななななな!?
英兄の顔が私の顔とあと数cmという所まで近付いてくる。
ま、周りの人も見てるし…!!
自分の顔はこの状況のせいでさっきとは比べ物にならないくらいに赤くなってるのが分かる。
「ん、出来た」
そう言うと英兄の顔がすっと離れる。
「…へ?」
出来た…?
どうゆう事?
「シャツの後ろの襟曲がってたよ?」
シャ…シャツ、ですか。
一瞬キ…って英兄が私にそんな事する訳ないじゃん!!
もう何考えてんのさ自分…。

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