キミへの気持ちの伝え方
*Part2*
その後、げた箱の前に貼られていたクラス表を見ると自分は1-1だった。
覚えやすいなぁ。
しかも教室での座席は窓際の後ろから二番目。
このクラスには『ふ』より前の字で始まる名前の人が多いらしい。
ラッキー♪
…ただ、中学校での友達は一人もこのクラスにいなかった。
少しさみしい……。
まぁ気にしたら負け!だよね。
とりあえず自分の席に座る。
……。
やっぱりさみしいかも…。
休み時間とか何してたっけ…。
ヒマだなぁ。
「おーいっ?」
「…?」
何故か声が頭上から聞こえてくる。
??
そーっと上に顔を向ける。
するとそこには――。
お…大きいー…
そこには恐らく自分と30cm以上の身長差がある男子が居た。
英兄より高いかも…。
「あ、あの?」
何の用だろう?
「ん?あぁ、いきなり話し掛けたら怪しかったな…ごめんな?でも……」
申し訳無さそうに男子がこっちを見てくる。
「そこ、俺の席です……」
「へ…?」
言われて自分の座っている場所を見直してみる。
自分の席は後ろから二番目。
私が今座っている場所は…三番目。
「あわわっ!本当だ、ごめんなさい!!」
「ははっ、慌て過ぎ!あ、俺針丘淳。君の前の席ね。一年間よろしく!」
そういうと人懐っこい笑顔で名前を教えてくれた。
はっ、自分も自己紹介!
「藤崎伊織です!こちらこそよろしくね」
「おぅ!淳って呼んでくれたら嬉しいな~」
首を横に傾げながら淳が可愛らしく言う。
普通の男子がするとかなり変な事になるけど淳がやると何故か可愛く見える。
身長の割に中性的な顔をしているからだろうか。
「じゃあ私も伊織でいいよ♪」
その後もずっと淳と喋って今日は終わった。