虹のかかる恋
「おっはよー!!」
と彩夏はクラスに入って挨拶をする。
「はよーっ」と次に空。
「おはよう…??」と次に私。
「「彩夏、空、陽菜ちゃんおはよー!!」」
初めて挨拶返された!!という感動と
〈陽菜ちゃん〉と呼ばれた感動がとても大きかった。
「陽菜ちゃん、おはよう♪」
「えと…遥奈ちゃんおはよう。」
私の席の近くの子の篠川遥奈(ささがわ はるな)ちゃん。
とても可愛くて、空と並ぶような
このクラスのムードメーカー。
入学してもう1ヶ月近く経つが
もう、10人ほど告白したらしい。
「もうあと1ヶ月でテストかー」
といった空の声で現実に戻った感じがした。
「テストとか言うなよ!!ばーか」
「そうだそうだー!!」
男子からのブーイング。
「うっせ。陽菜、頭いーよな??
赤点になんないようにしたいから勉強教えてー」
「え?!」
「いいだろ??家行くし。」
「えー。空、私の家来なよー
私が教えるし!!」
「いや、私の家に!!」
という他の女子たち。
「いーや。俺は陽菜の家行くのー」
「「えー」」
という声とともに女子たちからの視線が痛かった。
テスト期間になるまえから空は私の家に
毎日来るという。
『空の家に行く。』というのに
『いや、陽菜の家でイイ。』という。
来てほしくない理由でもあるのか…??