出会う前のキミに逢いたくて
念のため、テレビをつける。


カーテンと窓を全部開け放ち、外の空気を体いっぱいに吸い込む。


今であるという証明はどこにもない。


けど、1年前でないことは体でわかっていた。


タイムスリップしてから常に感じていた、言葉では言い表せない違和感が消えてるもの。


立ち上がって冷蔵庫からボトルを出し、水を口いっぱいに含んだ。


ボトルを覆ったビニールにプリントされた製造年月日。


今年の10月であることがはっきりと刻まれている。


嬉しくなってもう一口飲んだ。


スマートフォンの電源を入れた。


その瞬間を待ちわびたように、ドンピシャのタイミングで持つ手が揺れた。
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