出会う前のキミに逢いたくて
そして、手に持った新聞に目を落としながら朝食を口に運んでいる。


献立も前と同じ、紙パックのコーヒー牛乳と焼きそばパン。


スポーツ紙の一面の見出しは昨日開幕したプロ野球だった。


オレはポケットから携帯を取り出すと、親友の菊池恵吾の番号をプッシュした。


「なあ、恵吾」


「なんだよ」


「一つだけオレの質問に答えてくれ」


「なんだよ、改まって…」


「今、西暦何年だ?」


「なんだそれ?」


「いいから答えて」


「今年は〇〇年だろ」


1度目のタイムスリップと同じ年号を答える。


「そうだよね。何月だっけ?」


「4月に決まってるだろ。からかってんのか?」


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