出会う前のキミに逢いたくて
マヤをあきらめて以降のオレの暮らしは大きく変化した。


あのときはフリーター同然だったけど、定職に就くことを決めて、電気量販店の面接を受けた。


自分に客商売はムリ・・・オレは当初、そう決めつけていた。


そこをあえて踏み入れた。


理由は単純明快。


自分を変えたかったから。


・マヤと出会う人生


・マヤと出会わない人生


後者を選択したオレ。


本当に望んだ答えだったのかと訊かれたら、正直今でも「?」がつく。


でも、そうしないとマヤは幸せになれない。


だから苦渋の選択を受け入れたんだ。


マヤが順調な人生を手に入れた今、オレは自分のことだけを考えればいい。


1回目とは真逆の人生を歩もう。


かつて大好きだったもの。


得意だったものにあえてフタをして。


昔に敬遠していたものをチョイスして体験すれば、自動的にもう1人の自分に出会える。


マヤと出会わない人生を選んだんだ。


それなら、マヤと出会う人生の自分とは違うキャラを築きたい。


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