出会う前のキミに逢いたくて
その日の夜、プロポーズされたこと。


プロに入ってもなかなか芽が出なかったけど、マサキがそれでも腐らず頑張ったこと。


わたしたちの山あり谷ありの長い歴史を紐解いていると自宅の電話が鳴った。


誰だろう? マサキではない。彼なら携帯にかけてくるはずだ。


マサキのお母さん? それもない。さっき携帯で話したばかりだもの。


私の両親? 弟たち? それもない。両親とはさっき携帯で話したし、弟たちとはメールを何往復も送り合ったばかりだ。


ということは・・・


もしかして・・・。


わたしの体に軽い電流が走った。


予感がした。


昔、大学にかかってきた謎の電話。


マサキの身体が蝕まれつつあるという忠告をした人物。


その人からの電話じゃない!?


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