出会う前のキミに逢いたくて
現実にはありえないことだ。


けど、この仮説はなぜかすーっとわたしの中に入り、違和感なく理解できた。


そうなのだ。


きっと。


誰かが親切にわたしたちのことを思って教えてくれたのだ。


「その人って、わたしやマサキとどういう関係なんだろう？」


「それはわかりませんね。何せ別の世界の人なんだから」


「考えられることは？」
私は食い下がって尋ねた。


「いろいろなケースがあり得ますよ。無限に。たとえば原田投手のことを想っている人かもしれないし、マヤさんを悲しませたくないと想った人が知らせたのかもしれないし・・・」


なぜか私は後者だと思った。


もちろん、確固たる根拠なんて何一つないけど。


でも直感でそう思った。


パラレルワールドにいる誰かがわたしの未来を変えてくれたんだ。


この世にはないはずの見えない絆が存在していた・・・


そんな気がしてならなかった。


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