出会う前のキミに逢いたくて
・・・何だよそれ!


しばらく笑いが止まらなかった。


腹を抱えて笑った。


床を何度も転げながら。


あの時のまんまじゃないか。


1度目の人生と。


神様がまたオレを試してるのか?


日記帳をつかむと、表面にこびりついた埃の膜を払った。


かつてオレはこの流れで、ある女の子の日記を盗み見た。


その子が処女じゃないと知った夜、オレは時空の迷路に迷い込んだ。


あのなぁ、もうタイムスリップなんて、こりごりなんだよ!


舌打ちすると、日記を見ることなく、元の位置にそっとしまった。


CDのボリュームを再び上げ、子猫のように横たわり、おとなしく主人の帰宅を待った。

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