出会う前のキミに逢いたくて
「別に知りたくねーよ」


思わずうそぶく。


勘弁してくれ。


話題を変えたい。


けど、完全に彼女のペース。


流れに身を任せるしかないのかよ。


数秒後、これがトラップだったことが判明した。


「まさか自分だと思ってない?」


「えっ!?」


やばい。


引っかかった。


今たぶん、無意識のうちに「オレじゃねーの?」っていう顔したと思う。


悪い予感は的中。


彼女は今世紀最大スケールの爆笑モードに入った。


「自分って案外単純なんだね」


「るせーよ」

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