出会う前のキミに逢いたくて
マサキは悪戯っぽい笑みを浮かべて非難すると茶碗を掲げ、三杯目を催促した。


「仕方ないじゃん。主婦は主婦でいろいろと忙しいんだからさ」


ジャーを開け、五穀米をよそいながら言い訳をする。


「今もときどき考えるんだ。
オレの病気を知らせてくれた人、超能力者じゃないかって思うんだよね」


マサキは育ち盛りの子みたいに勢いよく五穀米をかきこみながら、幼い妄想を口にした。


「わたしもそう思う。間違いなくその人は超能力者だよ」


ついつい、わたしも子どもみたいな返答をしてしまう。


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