出会う前のキミに逢いたくて
何と言うべきだろうか。

オレは軽い脳みそをフル回転させた。

「確か・・・がっしりとした体格の人でしたね」

あの声から想像される人物像を素直に答えることにした。

細身の男には出せない声だと思う。

肩幅がやけに広くて、筋肉質の体育会系な感じのキャラ。

あくまで想像ではあるけど。

「でしょう!」

運良くと言っていいのか、オレの妄想は的外れじゃなかったらしく、村上さんの握っている情報と重なったらしい。

村上さんは両腕を胸の前で組むと、水を得た魚のように熱弁をふるった。

こっちはオバサン丸出しである。

「実は私ね、彼女の家に入り浸ってる男のうちの一人に心当たりがあったのよ。

どこかで見た顔なんだけど、どーーーしても思い出せない。でもね、この前、とうとう思い出したのよ!思いだせてよかったわー」

おいおいおい、なんだ、なんだ。

マヤが今付き合ってる男は有名人なのか!?

想定外だぞ。
< 40 / 261 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop