出会う前のキミに逢いたくて
神様っていう人はなんて不公平なんだよ。

ある意味、罪作りだよなぁ。

もしかしたら、すでにプロのスカウトの目にとまっているのかもしれない。

数年後には高額な契約金を手に、たくさんのフラッシュを浴び、ちやほやされる存在になるのかもしれないなぁ。

かたや、将来有望なプロ野球選手の卵。

かたや、しがないただのバイト男。

これじゃあ、オレに勝ち目なんて、1ナノメートルもねえよ・・・。

ふたたび、激しいジェラシーで体がポカポカと熱くなった。

と同時に、大きなハテナマークが頭上をグルグルと旋回する。

いずれ、マヤと原田くんは別れる。

そして、来春にはオレと出会って恋人同志になる。

なぜ、マヤと原田くんが別れる展開になるのか、まったく想像できなかった。

少なくとも原田くんはオレなんかよりもうんと将来性がある。

なぜにマヤは彼と別れるのだろう。

性格に問題を抱えている人なのかなあ。

で、マヤが愛想を尽かすのかな。

それとも、逆に原田くんがマヤをふるのか。

もしかしたら、マヤはもう別れを切り出されたのか?

だから泣いたのだろうか?
< 49 / 261 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop