出会う前のキミに逢いたくて
視線を隣に、ゆっくりと走らせた。

数秒後、オレは腰を抜かしそうになった。

床に尻餅をついても不思議じゃないくらい驚いた。

そこにマヤがいるのだ!

「マ、マ、マヤ」・・・もう少しで声に出しそうになった。

この時代に流れ着いて、マヤをそばで見るのは今が初めてだった。

自然と彼女の小顔に目がいってしまう。

つい、ジロジロ見てしまう。

見るなというほうが無理だ。

やはりというべきか、マヤは一瞬、変な目でオレを見返した。

この人何者?

キモ~い、とでもいうように。

それは仕方のないことだと思う。

この時代、オレとマヤはまだ出会ってないんだから。

本当は彼女の顔をいつまでも眺めていたかった。

時間が止まってくれることをこれほど願ったことはないと思う。

地球よ、自転をやめてくれ。

オレはそれほどマヤに飢えているんだ。

ぺこぺこだった。
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