出会う前のキミに逢いたくて
面接
「で・・・キミは編集の経験ってあるのかな?」
雑居ビルのむさ苦しい一室で面接が行われた。
向かい側に座ったやや神経質そうな男が、タバコの煙をゆっくり吐き出した。
薄い胸板を、真っ白な無地のTシャツと淡いブルーのジャケットで包んでいる。
名刺によれば彼は「副編集長」であるらしい。
ていうことは、編集長に次ぐ地位にいる人なわけだけれど、肩書きの重みに比べて彼にはまだ風格が備わってない気がした。
年齢的にもまだ二十代の終わりか三十代のはじめだろう。
どこかまだ学生気分が抜けていない。
そんな印象を受ける。
「週刊スタジアム」
どんな雑誌なのかウィキで徹底的に調べた。
スポーツ・マガジン社が発行する野球専門週刊誌。
1958年創刊。
一般的な略称は「週ス」。
プロ野球はもちろんのことアマチュア野球も積極的に取り上げているそうである。
「編集経験はありません」
彼を真っ直ぐ見つめ、オレは躊躇なく答えた。
「ある」と答えたほうが採用されやすかったかもしれない。
そこはかなり迷った。
けど、嘘はいずれ見破られるものだし、バレたら後々面倒なことになりそうだ。
ハッタリをかますのは得策じゃないと思う。
そもそも、騙し通す自信なんてオレにはないし。
昔からウソをつくとすぐに顔に出ちゃうタイプだった。
「じゃあ、なんでうちに興味もったわけ?」
「スポーツ・・・特に野球が好きだからです。野球のおもしろさ、素晴らしさ、それからそこから生まれる感動ってやつを、一人でも多くの読書に伝えたいという思いです」
一応明るく、そして精一杯、熱く語ってみた。
雑居ビルのむさ苦しい一室で面接が行われた。
向かい側に座ったやや神経質そうな男が、タバコの煙をゆっくり吐き出した。
薄い胸板を、真っ白な無地のTシャツと淡いブルーのジャケットで包んでいる。
名刺によれば彼は「副編集長」であるらしい。
ていうことは、編集長に次ぐ地位にいる人なわけだけれど、肩書きの重みに比べて彼にはまだ風格が備わってない気がした。
年齢的にもまだ二十代の終わりか三十代のはじめだろう。
どこかまだ学生気分が抜けていない。
そんな印象を受ける。
「週刊スタジアム」
どんな雑誌なのかウィキで徹底的に調べた。
スポーツ・マガジン社が発行する野球専門週刊誌。
1958年創刊。
一般的な略称は「週ス」。
プロ野球はもちろんのことアマチュア野球も積極的に取り上げているそうである。
「編集経験はありません」
彼を真っ直ぐ見つめ、オレは躊躇なく答えた。
「ある」と答えたほうが採用されやすかったかもしれない。
そこはかなり迷った。
けど、嘘はいずれ見破られるものだし、バレたら後々面倒なことになりそうだ。
ハッタリをかますのは得策じゃないと思う。
そもそも、騙し通す自信なんてオレにはないし。
昔からウソをつくとすぐに顔に出ちゃうタイプだった。
「じゃあ、なんでうちに興味もったわけ?」
「スポーツ・・・特に野球が好きだからです。野球のおもしろさ、素晴らしさ、それからそこから生まれる感動ってやつを、一人でも多くの読書に伝えたいという思いです」
一応明るく、そして精一杯、熱く語ってみた。