出会う前のキミに逢いたくて

うまい具合に打ち解けることができたら、多少はプライベートな質問もＯＫなんじゃないかな。

記事にはしませんから、と前もって断ればオフレコもありでは？

けど、原田くんが野球一筋の堅物キャラだったらなかなかそうはいかないかも。

野球以外のこと聞いてどうするんすか？

みたいな反応だと厳しいな。

こればっかりは悩んでも仕方ない。

フレンドリーなキャラであることを願うしかなかった。

ノックを終えた選手から順番にベンチのほうへあがってゆく。

ブルペンを見ると、さっきまでキャッチャーを座らせて全力投球してた原田くんともう一人の投手は、捕手を立たせてのキャッチボールへと変わり、クールダウンに入った。

休憩時間が近づいてることを示している。

さあ、いよいよだ。

原田くんとの運命の対面。

失敗は許されない。

チャンスはそう何度もないんだから。
オレは気持ちを引き締めた。