【短編】純情彼氏



「晃?どうしたの?」


舞花が、動かない俺を見て
不思議そうな顔をした。


「なあ、舞花」


「なぁに?」


俺が手招きをすると
フライパンの火を止めて傍に来てくれた。


「6年前の約束、覚えてる?」


舞花は、こくりと頷いた。


この6年の間に
舞花の初めてはほとんど俺がもらっていて。


「なあ、舞花?
俺、本気で舞花の初めて奪うよ?」


「……うん」


絶対、舞花は意味わかってないな。


俺は、ポケットの中から
小さな箱を取り出した。



< 34 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop